翻訳新人賞に応募するためにウェブトゥーンを翻訳してるんだけど、翻訳作業をしていると、ふとこんなことが気になりました。
いい翻訳って何なんだろう?
韓国語に長けている人が必ずしも良い韓国語の先生になるっていうわけではないのと同じように、翻訳も韓国語力が高いからといって、いい翻訳が出来るというわけではない気がします。
もちろん、最低限の知識は絶対必要ですが、それ以外の部分の方が、もしかしたら重要になるんじゃないかなとも思うのです。
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自分が良いと思うものが必ずしも相手にとって良いものになるわけではない
自分では、
上手く翻訳出来た!
と思っても、クライアントが同じ感想を抱くとは限らない。
どんな仕事においても言えることだと思うけど、仕事を受注して行う以上、「自分の良いと思ったもの」を提供するのではなく、「相手が納得するもの」を提供しなければいけない。
そう考えると、自分では「よく出来た!」と思った翻訳にダメ出しが入り、クライアントの要求に答えた結果、自分では「う~ん」と思う翻訳になるという場合もあるんだろうな…
翻訳新人賞もこれと同じように、自分が良いと思うものが必ずしも審査員が良いと思うわけではない。
私らしい翻訳?無難な翻訳?
私が韓国語の勉強を始めた理由の一つとして、翻訳者のフィルターを通さず自分の解釈で韓国語を理解したいというものがありました。
やっぱり翻訳って少なからず、翻訳者の色が出ると思うんです。
同じ言葉であっても受け取る人によって解釈が変わるように、翻訳する人によっても解釈や表現の仕方、言葉選びはいろいろ変わってくるはず。
「審査員」という存在を考えずに翻訳すれば、自由に私らしい翻訳が出来ると思う。
でもやっぱり、翻訳コンテストとなれば、審査員がこの翻訳をどう評価するか?というのは気になるところ。
そんなことを考えていると、私らしい翻訳をするべきなのか?それとも無難な翻訳をするべきなのか?悩んでしまいます。
翻訳の仕事の難しいところ
お金を頂いて翻訳をしたことのない私が翻訳の仕事を語る資格はないかもしれませんが、翻訳の仕事の難しいところって、クライアントとお客様の2者がいることなんじゃないかなって思うのです。
翻訳は何のためにするのか?を考えると、韓国語で書かれた文書や作品を日本人が理解できるように(楽しめるように)するためですよね。
そう考えると、最終的にその翻訳を届けるのは文書を読む人や作品を楽しむ人なんだけど、この間には「クライアント(翻訳会社)」が入ってくる。
となると、仕事をする上での自分のお客様は、最終的にその翻訳を利用する人ではなくて、その翻訳をお客様に届ける翻訳会社になるわけです。
翻訳会社から仕事を受注する以上、翻訳者はお客様ではなく、翻訳会社が満足・納得する作業をしなくてはならない。
例えそれが自分には納得出来ないことであったとしても、翻訳会社からの指示に従って仕事するしかないんですよね…
だから自分の考えとは違うことをしないといけなかったり、自分が納得いかない作業をしなくてはならなかったり、何かしらの部分で妥協しながら仕事をする必要もあるんだろうなと思います。
そういうクライアントとの折り合いっていうか、上手く付き合いながら仕事をしていくというところ、また、そういう会社や仕事と出会うっていうのも、翻訳の仕事の難しいところなんじゃないかなって思ったりしています。
ここに来て痛恨のミスに気付く
翻訳新人賞課題作の続きを読み続けていると、痛恨のミスをしていたことに気付きました。
男だと思ってたキャラ、女だったwww
見た目だけの先入観で無意識に男だと認識していたのですが、とあるセリフで女ってことに気付きました。
よくよく考えれば兄のことを「오빠」って言ってたし、完全に女やないかい!(笑)
なんで気付かなかったんだろ…先入観ってこわい。
漫画の有料部分を読まずに課題範囲だけ読んで応募してたら、女キャラを男口調で翻訳して提出してたところでした…危ない危ない。
ただこのキャラ、性別は女だけどめっちゃ男っぽくて…
女口調にすると何か違和感があるので、どういう口調で翻訳するかめちゃ悩んでます…