TOPIKやハングル検定は絶対に受けないと決めた日

韓国語の勉強をはじめた当初、私は韓国語関連の試験は受けないと決めていた。

理由は、実践力を身につけるため。

TOPIKやハングル検定を受験するとなると、試験対策が必要になる。

そして試験対策の勉強はあくまでも試験に合格するための勉強となるので、実践力に繋がりにくかったりもする。

それに試験勉強はどうしても座学中心になりがちなので、会話上達の弊害になるような気もした。

そんな理由で私は「試験は絶対に受けない!」と決めていたのだけれど、ただ単に試験勉強をしたくないという理由も少なからずあった。

試験を受けることなく独学を続け、当初の目標だった「韓国語で会話する」「韓国ドラマを字幕なしで観る」ということを、1年くらいで達成できた。

試験を受けないと決めたことは、正解だったなと思った。

でも、試験を受けずに独学で勉強を続けていると、「なんかこのまま勉強を続けていても、これ以上実力を伸ばすのは難しい気がする」と思うようになった。

圧倒的に語彙が足りない気がする。

語彙を増やすためには、どんな勉強をするべきか?

考えた結果、「ハングル検定を受験しよう」と思った。

ハングル検定やTOPIK試験では、日常では使われないような難しい語彙も出てくる。

最初は「日常で使わないような語彙は別に学ばなくてもいいか」と思っていたけれど、自分の韓国語力が上がっていくにつれ、「もっと上を目指したい」と思うようになり、もっと上を目指すには難しい語彙も学ぶ必要があるという考えに行き着いた。

TOPIK試験ではなくハングル検定を選んだのは、ハングル検定は問題が日本語なので、ハングル検定のほうがハードルが低く感じたからだ。

「試験は受けない」と決めていた私は、独学で1年勉強してみて、「試験を受けよう」と考えが変わった。

いま思えば、「試験を受けない」という選択をしたことも、「試験を受ける」という選択をしたことも、どちらも正解だったなと思う。

試験を受けずに会話の練習をしたおかげで韓国語が話せるようになったし、聞き取れるようにもなった。

そして試験を受けることで、語彙が増えてもっと出来ることが増えた。

韓国語の勉強には「これが正解」「これが間違い」ということはない。

ないからこそ、自分がやってきたことはすべて正解だったんだ、と私は思うことにしている。

自分のやっていることを信じるということも、韓国語の勉強においては大事なことだ。

韓国語の勉強は成果が出るのに時間がかかるため、勉強しても勉強しても実力が伸びていないような気がするときがある。

このとき自分のやっている勉強法に不安を感じてしまうと、あれこれいろんな勉強を試したくなったり、いろんなテキストに浮気してしまったりする。

そして勉強をしている時間よりも、効果的な勉強法を探している時間のほうが長くなってしまったりする。

そうなってしまうと、もっと勉強の成果は出なくなる。勉強をやっていないのだから、当たり前の話なんだけど。

なかなか成果が出ない中、同じことをやり続けるということは、結構しんどい。

でも一度成果が出ると、それは自信につながり、勉強のモチベーションにもなる。

今でも試行錯誤の日々だけど、韓国語の勉強においては「何をしないか」と「何をするか」を明確に決めることが、大事なのかもしれない。