他人の韓国語が許せない上級者たち

つい先日SNSを見ていたら、韓国語学習者さんが「発音が悪すぎると知らない人に言われた」と言っていた。

それを見て、他人事ながらものすごく腹が立ったし、悲しい気持ちになった。

その韓国語学習者さんはものすごく韓国語の勉強を頑張っていて、陰ながらずっと応援していた。

韓国語に対する愛の深さがなんだか自分と似ていて、勝手に親近感も抱いていた。

そんな一生懸命頑張っている人に対して、「発音が悪すぎる」なんて、よくもまぁどの立場からそんなことが言えるのか。

韓国語の勉強をしていると、たびたびこういう人たちを見かける。

「他人の韓国語が許せない上級者たち」

やれ発音が変だの、日本人っぽいだの、他人の韓国語に何かとケチをつけてくる人たち。

私も昔、韓国語のなまりがひどいと笑われた経験がある。

私は関西人なので、関西弁のイントネーションが体に染みついていて、韓国語を話すときにも変な抑揚がついてしまう。

釜山や大邱方面のイントネーションと、私が話す韓国語のイントネーションが似ているようで、韓国人にも「釜山の人が話す韓国語みたいだね」と言われたこともある。

自分の韓国語が流暢でもなく、発音やイントネーションも上手くはないことなんて自分でもわかっているけれど、下手くそで何が悪いんだ。

下手くそだから、頑張って勉強しているんだ。

今では上級レベルと言えるくらいに韓国語の実力はついたけど、他の人の韓国語をバカにしたり笑ったりする気持ちなんて、1ミリも湧いてこない。

だって、私もその道を通ってきたわけだから。

私も初心者さんが間違えるような間違いをしてきたし、発音もイントネーションも下手くそだったし、いまだに単語なんて覚えてもすぐに忘れてしまう。

たくさん苦労して、たくさん努力して身につけた韓国語だから、頑張っている人を批判する気になんてなれない。

韓国語学習は競争じゃない。

自分より実力が上の人を見て「私も頑張ろう!」と思うのはいいことだけど、自分より下の人を見て「私のほうが上」と思うことは、愚かすぎる。

自分より実力が下の人を見て安心しているということは、努力をやめているということ。

努力している人は、いつだって上を見ているから。

私は他人の韓国語が許せない上級者たちにならないよう、これからも上を見ながら勉強していこうと思う。