【2026ソウル旅行記③】初めての大学の集まりで人気者に!?

ソウル三日目。

今日の夜は、私が通う世宗サイバー大学文芸創作学科の集まりがある。

同じ学科の生徒さんだけでなく、教授も来られるということで、現役作家でもある教授からサインをもらわねば!と思い、教授の本を買いに教保文庫へ向かった。

韓国に行くと必ず行きたくなる場所

教保文庫光化門店。

韓国の書店といえば、教保文庫が真っ先に思い浮かぶ。

本好きとしては、韓国に行くなら必ず一度は足を運んでおきたい場所。

教保文庫は全国にあるけれど、その中でも光化門店はちょっと特別で規模もかなり大きい。

教保文庫光化門店は、韓国で最初にオープンした大型書店らしい。

地下鉄5号線の光化門駅に直結しており、本だけでなく文具や雑貨も充実している。

広い店内をゆっくり歩きながら、お目当ての本を探した。

平積みされていた本の中から、教授の本を見つけた。『2026現代文学賞受賞詩集』。

うちの大学で詩の授業を担当している김상혁教授が、第71回現代文学賞を受賞された作品が掲載されている書籍だ。

表紙には教授の顔写真と名前、作品タイトルが載っていた。

私はまだ김상혁教授の授業は取ったことがないが、こんなすごい方の授業が聞ける環境にいるということが、すごく特別なことに思えた。

そしてもう一冊、小説の授業を担当している서유미教授の本を買いたかった。

店内に置いてある検索コーナーのパソコンで教授の名前を入力して検索すると、すぐにお目当ての本が出てきた。

小説のある場所を確認してから本棚へ向かうと、すぐに教授の本が見つかった。『밤이 영원할 것처럼』。

内容はよく知らなかったけれど、タイトルがとても素敵で気に入っている。

教授の授業がすごく面白くて興味深かったので、きっと教授の書いた小説も面白いに違いない。

プロの作家や詩人である教授から直接講義をしてもらえる環境にいる私は、なんて恵まれているんだと思わずにはいられなかった。

ホクホクした気分で2冊の本を抱え、今度は芸術ジャンルのコーナーへ。

あと一冊、どうしても買いたい本があった。

探し回ってなんとか見つけた本棚には、有名なドラマの脚本集が並んでいた。

大学の授業にはドラマ台本に関する科目もあった。

脚本を書いてみたいと思ったことはないけれど、ドラマがどんな風に作られているのかということに興味があった。

この作品の脚本集を買おうと決めていたわけではなかったが、とあるタイトルを見て「これだ!」と思った。

우리들의 블루스(私たちのブルース)

韓国ドラマは数え切れないほど見てきたけれど、心に残るドラマは意外と少ない。

その少ない作品のうちのひとつが、「私たちのブルース」だった。

脚本集を手に取り、ページをめくってみた。

作家の노희경先生は、この作品を書いたきっかけをこんな風に語っていた。

主人公ふたりに焦点をあてた話がつまらなくなった。

私たちは誰もがそれぞれの人生の主人公だ。

出演者の誰も脇役扱いをしたくなかった。

その問題意識がこの話の出発点だった。

本をパタリと閉じ、そのままレジへと直行した。

韓国の変わり種たいやき

本を買った後は、一度ホテルに戻ることにした。

それにしても、暑い。

外は氷点下の世界なのに、韓国は室内がやたら暑い。

寒がりでバッチリ防寒してきた私は、服の下でうっすらと汗をかいていた。

マフラーと手袋をはずし、地下鉄に乗る。

ホテルの最寄り駅について外に出ると、ヒヤッと冷たい空気が気持ちよかった。

日本だとマフラー手袋は必須だったのに、日本よりもだいぶ気温の低い韓国で首と手を外気にさらしたまま歩いているというのが不思議だった。

ホテルに着くと、ちょっと小腹が空いたのでペダルアプリで軽食を探した。

近くにたいやき屋さんがあったので、たいやきを注文して取りに行くことにした。

いろんな味がある中で気になったピザ味とあんこ&クリームチーズ、そして定番のカスタードを注文した。

韓国ではカスタード味を「シュークリーム」というのが面白い。

15分ほどで商品が出来上がり、歩いて取りに行くことにした。

お店まではまっすぐ北に進むだけだったので、すぐに見つかると思っていた。

がしかし、NAVERマップが示すお店の位置についても、たいやき屋さんらしき建物がまったく見えない。

地図を片手に道を行ったり戻ったりしていると、小さなたいやき屋さんがふと目に入った。

たいやき屋さんは、地図が示す位置にバッチリ存在していた。(私が気づかなかっただけだった…)

ドアを開けて店内に入ると、店員さんが用意していた袋をすぐに渡してくれた。

朝のサンドイッチ屋さんと同様、注文番号の確認などは一切なかった。

ホテルに戻り、まずはピザ味のたいやきから食べてみた。

トマトソースととろけるチーズが、たいやきの生地にすごく合う…!!

ピザたいやき、これは日本でも絶対流行る。たいやき屋さんはただちにピザ味を追加するべきだ。

そして次は、あんこ&クリームチーズ。

あんこの甘みとクリームチーズの塩味は確かに合うが、すこし重い気もする。(ピザ味を食べたあとだからかも?)

そして最後にシュークリーム(カスタード)

これは日本で食べるほうがおいしい。この店のカスタードがたまたまイマイチだっただけかもしれないけれど、クリームが美味しくなかった。

大学の集まりが16時からだったのにその前にたいやきを3つも食べてしまい、お腹が膨れた状態で会場へと向かった。

初めての大学の集まりで人気者に!?

大学の集まりは、ホテルの最寄り駅から地下鉄で30分ほどの位置にある洋風居酒屋みたいなお店で行われる予定だった。

すぐにお店を発見し、階段を登って入口に着くと、店内はたくさんの人で賑わっていた。

到着が15分ほど遅れたので、すでにご飯屋さんにはたくさんの生徒さんが集まり、それぞれ席についていた。

そろりそろりと近づいていくと、大学で唯一の友人であり私のメンターだった人物を発見!

友人とはいえ、直接会うのはこれが初めてだった。

私に気づいた友人が駆け寄り、ハグで歓迎してくれた。

日本から持ってきたお土産を渡すと、友人も私のためにプレゼントを用意してくれていた。

学科の代表(※学級委員長みたいな感じ)である友人は、サインが欲しいと言っていた私のために、教授を直接紹介してくれた。

昼間に買った本の表紙に写っている人物が、目の前に現れた。

「はじめまして。シズと申します」

教授は快く本にサインしてくれ、写真まで一緒に撮ってくれた。

有名人に会えたような気分で、ちょっと舞い上がってしまった。(心のなかで)

学科長である女性教授も来られていたので、直接挨拶をして日本から持ってきた賄賂お土産の和菓子と手紙を渡した。

学科唯一の日本人というだけで目立っていたとは思うけど、お土産と手紙作戦で教授の記憶により強く残ったに違いない。

…なんて下心は、まったくなかった…というと嘘になる。

日本語が話せる人がいるよ!と友人が言うので、私はその人と同席させてもらうことにした。

同じ席には私よりも年下に見える女性がひとりと、年上っぽい女性が2人座っていた。

日本語の話せる女性は私よりも10歳年上だと言った。

昔福岡に住んでいたということで、日本語で問題なく会話できるほどだった。

しばし雑談を楽しんでいると、「シズーーー!」と私の名前を呼ぶ声が聞こえた。

(え、何なに!?)

どうやらくじ引き大会が行われていたようで、私が当選したらしい。

名前を呼ばれて前に出ていくと、当選商品としてスタバカードを贈呈された。

韓国でしか使えないカードだったけれど、韓国にはちょくちょく来るのでありがたい。

商品を受け取り席に戻ると、今度は隣の席に座っていた男性に、「君と話したいって言ってる人がいるよ」と言われ、後ろの席に移動した。

日本人がなぜ韓国の文芸創作学科に!?と私に興味を持ってくれたようだった。

その席には年上っぽい男性ひとりと、60歳くらいに見える女性がひとり、そして女優さんのように綺麗な女性がひとり座っていた。

しばらく会話を楽しんでいると、「シズーーー!」とまた私の名前を呼ぶ声が聞こえた。

どうやらまたくじに当選したらしい。

こういう大勢の集まりで行われるゲーム大会で何かに当たったことなんてなかったのに、やっぱり韓国は何か特別な力を私に与えてくれるようだ。

2枚目のスタバカードをゲットし席に戻ると、今度は友人が「紹介したい人がいる」とまた別のテーブルに連れて行ってくれた。

同年代もしくは少し年下に見える女性が5人、仲良く談笑していた。

あまりにも仲が良さそうだったので、「みんな知り合いなのですか?」と聞くと、「さっき初めて会ったばかりだよ!」と言っていて驚いた。

韓国にも人見知りの人とそうでない人がいるが、日本人に比べると韓国人のほうが溶け込むのが早い気がする。

日本人はパーソナルスペースを大事にする人が多いので距離を縮めるのに時間がかかるが、韓国人は距離感が近いので、心の距離も近づきやすい気がする。

話していて共通点が見つかるとお互い手を叩きあったり、「私のお兄ちゃんが日本人と結婚したの」と話しかけてきた女の子は私の手をギュッと握ってきた。

韓国人はボディタッチを通じて情を分け合う文化があり、私はそれが嫌いではなかった。

60人もの韓国人が集まる中、日本人の私がひとり入ると絶対浮くだろうなぁと思っていたが、浮くどころかむしろチヤホヤされて、日本人同士の集まりよりも居心地が良かった。

とある男性生徒は私を見て、「俺も日本のサイバー大学に入学したら人気者になれるかな?」と言っていた(笑)